院長ブログ

2013.10.08

80歳以上の2型糖尿病にも欧米での第一選択薬は安全で有効(EASDより・・その5)

80歳以上の超高齢者への2型糖尿病治療薬の使用法はまだ確立されておらず、世界の糖尿病治療ガイドラインにも具体的な記述はありません。欧米で2型糖尿病治療の第一選択薬となっているお薬の使用法についても議論が分かれているのが現状です。

ポーランドのMedical University of Lodz の L. Czupryriak 氏らは、年齢が80歳から90歳の2型糖尿病患者さん158人(高齢群)と60歳から70歳の2型糖尿病患者さん112人(対照群)を選び、後ろ向きに3年間追跡しました。

高齢群と対照群の当該薬剤の服用率は、それぞれ62%と82%でした。平均HbA1c値は7.1%と7.8%であり、高齢群で有意に低値でした。低血糖の平均発症率も、それぞれ21%と45%であり、高齢群は対照群の半分以下でした。
一方、血清クレアチニン価については、高齢群が1.19mg/dlに対して対照群は1.02mg/dlと高齢群の方が腎機能がやや低下していました。

脂質に関しても、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪、全てにおいて高齢群の方が良好な結果でした。

以上よりCzupryriak 氏らは、80歳以上の超高齢者でも当該薬剤の投与は安全かつ有効であると結論付けています。

この研究の内容は、我々の臨床的感覚とも良く一致しています。最終的な結論は、より大規模な研究の成果をまたないといけないとは思いますが、現状ではこのお薬は80歳以上の高齢者にも安全に使える薬といえそうです。

またまたメルセ祭からのひとコマ・・様々な民族衣装をまとった
巨大な人形がバルセロナ市庁舎前の広場を練り歩きます
                  ↓

投稿者: 小早川医院


SEARCH


ARCHIVE


  • 院長ブログ
  • スタッフブログ
  • 小早川医院 Facebook
  • インスタグラム
  • 公式LINEアカウント
  • 052-752-0800
  • メールでのお問い合わせ
pagetop