院長ブログ

2015.04.30更新

女性では、40歳ごろから女性ホルモンが急激に低下し始めます。そのために、顔のほてり、発汗、頭痛、肩こり、めまい、不安、イライラ、倦怠感など、更年期障害の症状が出現するようになります。ですから、40代からは、女性ホルモンのバランスを整えるケアが大切になります。
当院では、プラセンタ注射や漢方薬などで対応し、かなり効果を上げていますが、最近ではホルモンバランスを整える成分として大豆から作られるエクオールが注目を浴びています。

大豆製品を食べると、腸の中で大豆イソフラボンが腸内細菌の働きでエクオールになるのです!
エクオールは女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをし、女性の健康をサポートする新しい健康成分です。
具体的にはホットフラッシュの改善、頭痛・肩こりの軽減、骨密度減少の抑制、LDLコレステロール値の低下、HbA1c 値の低下などの効果が知られています。

エクオールは「エクエル」という商品名で大塚製薬からサプリメントとして発売されています。月数千円程度の出費となりますが、興味のある方はお気軽にご相談ください。



投稿者: 小早川医院

2015.04.29更新

正常体重の人に比べて少し肥満気味の人の方が死亡危険度が低いという説(肥満の逆説 = obesity paradox)が最近注目を集めています。しかし、この説はあくまでも一般の人たちを対象とした統計に基づいたものであり、糖尿病患者における体重と死亡危険度との関連性は明らかにされていませんでした。昨年秋に、最も権威ある医学雑誌の一つである
New England Journal of Medicine にこの点を明らかにした論文が初めて掲載されました。

これはハーバード大学の研究グループが、糖尿病と診断された時点で脳卒中、虚血性心疾患や癌にかかっていなかった11,427人の糖尿病患者さんを対象に行った研究です。糖尿病と診断された時のBMIと平均追跡期間15.8年の間の死亡危険度との関係が検討されました。

研究期間内に対象者のうち3083名が死亡しました。対象者をBMIによってA~F群の6つのグループ(A:18.5-22.4,B:22.5-24.9,C:25.0-27.4,D:27.5-29.9,E:30.0-34.9,F:35.0以上)に分け、B群の死亡危険度を1.00とした時の各群の死亡危険度が算出されました。喫煙歴のない対象者の死亡危険度はA群:1.12, B群:1.00, C群:1.16, D群:1.21, E群:1.36, F群:1.56)、喫煙歴のある対象者の死亡危険度はA群:1.32, B群:1.00, C群:1.09, D群:1.04, E群:1.14, F群:1.21)となりました。死亡危険度は、喫煙歴の有無にかかわらずBMI22.5-24.9の群で最低であり、それより増えても減っても危険度が上昇することがわかりました。

この研究結果をまとめると、糖尿病の患者さんでは肥満気味の人の方が死亡危険度が低いという obesity paradox を支持するような傾向は確認できなかったということになります。

現状では、糖尿病治療の際の体重コントロールの目標はやはりBMI 22.5-24.9の範囲内に定めるのがよいでしょう。特に糖質制限食では体重が減りがちなので、BMIが低くなりすぎないような注意が必要です。

投稿者: 小早川医院

2015.04.28更新

4月26日の日曜日、注目のマイクロRNAを用いたがんの早期診断法についての講演会に参加してきました。会場は東京の品川駅近く、演者は国立がん研究センター研究所の落谷孝弘先生です。

マイクロRNAとは、細胞内に存在するノンコーディングRNA(たんぱく質への翻訳はされないが、ほかの遺伝子の発現を調節する機能を持つ)の中で比較的長さの短いものを言います。

マイクロRNAは、がん、感染症、生活習慣病および難聴などの様々な病気にかかわっていることが知られています。中でも発がんとの関連については多くの研究がなされています。

落谷先生ら国立がん研究センター研究所の研究グループは、がん患者さんの血液中の2578種類ものマイクロRNAを測定し、特定の「がん」で特定のマイクロRNAが上昇することを発見しました。現在は、がん研究センターにストックされた多くのがん患者さんの血液でこの結果を検証中で、すでに1万検体以上の血液を検査したそうです。

近い将来、血液中のマイクロRNAを測定することでいろいろながんの超早期診断が可能になりそうです。また、血液中のマイクロRNAのパターンの異常が見つかった場合、これを種々のサプリメントの投与で正常に近づけることにより、がんをはじめとする生活習慣病やを予防することもできるようになるだろうとのお話でした。

科学技術の飛躍的な進歩によって、医学の常識が根底から変わりつつあるのを実感しつつ、会場を後にしました。

投稿者: 小早川医院

2015.04.27更新

4月中旬以降も花粉症が長引いている患者さんが数多く来院されています。
スギやヒノキの花粉も、ピークを過ぎたとはいえまだ飛散しています。それに加えて、カモガヤなどのイネ科植物の花粉も飛散し始めています。イネ科はヒノキ科(スギ・ヒノキ)に次いで感作されている人が多い花粉アレルゲンです。

日本ではスギ・ヒノキ花粉症の認知度が高いため、患者さんはアレルギー症状をスギ・ヒノキ花粉症のみに結び付けがちです。しかし、実際にアレルゲン検査をしてみると、実はスギ花粉が陰性であったり、スギ以外のアレルゲンにも重複して感作している場合が少なくありません。例えば、スギ花粉症と自己診断していた人の21%がスギ陰性であり、さらにスギに感作した例においても79%はヒノキかカモガヤのいずれか、あるいはその両方に感作していたという報告もあります。

何に感作しているかを正確に知ることで、そのアレルゲンを回避することが可能になります。例えば、イネ科、キク科などの草本植物は数10~数100メートル程度しか花粉を飛ばさないため、花粉の飛散する時期には道路脇、公園や河川敷といった群生地に近づかないことが大切です。一方、何キロも花粉を飛ばすスギ・ヒノキなどの樹木の花粉を回避するためには、マスクやゴーグルなどの装着が必要になります。このようにイネ科・キク科などの草本植物とスギ・ヒノキなどの樹木とでは花粉症対策が異なるわけです。

感作しているアレルゲンを正確に知るため、採血によるアレルゲン検査をお勧めします。通常の静脈採血でさまざまなアレルゲンに感作しているかどうかが簡単にわかります。代表的な13種類のアレルゲンを検査した場合、3割負担の方で自己負担は5000円程度です。花粉症でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

投稿者: 小早川医院

2015.04.24更新

数週間前に、日本老年医学会が「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン 2015」の案を発表しました。この中で認知症高齢者の陽性症状をコントロールするために我々コウノメソッド実践医が用いてきた薬(ウィンタミン、セロクエル、ドグマチール、セレネース)などの抗精神病薬は中止が望ましいという記述があります。これらを中止して代わりに抑肝散をつかいましょう、ということのようです。抑肝散はレビー小体型認知症にはよく効きますが、その他の陽性症状には無効であることが多いのは、認知症を本気で治療している医師ならだれでも知っている事実です。

この案が、正式なガイドラインとして発表されれば、多くの施設でこれらの薬が強制的に中止され、急激に悪化した認知症高齢者の入院が急増し、入院しきれない患者さんのために多くの家族が崩壊するという事態になるでしょう。

このような事態を何としても阻止したいと考え、先日老年医学会にパブリックコメントとして以下のような反対意見を送りました。多くの反対意見が集結し、ガイドラインの案が良い方向に修正されることを祈るばかりです。


「高齢者の診療に携わる者として、今回のガイドライン(案)に関して意見を述べさせていただきます。

私は内科開業医として多くの認知症高齢者の治療にあたっています。認知症の患者さんの介護者は、中核症状よりもむしろ周辺症状に悩まされています。徘徊や暴言、暴力、介護抵抗、易怒などの陽性症状が出てくると、介護者は片時も目を離すことができず、疲弊します。こうした陽性症状に対していわゆる中核薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン)は有効でない場合が多いというのが臨床現場での実感です。中核薬の投与により陽性症状が悪化し、かえって介護者の負担が増えてしまうケースが多いのです。そこで、私は以前から、陽性症状をコントロールするためにクロルプロマジン、クエチアピンなどの抗精神病薬の少量投与を行い、有効例を数多く経験してきました。もちろん常用量は高齢者には危険ですが、常用量の3分の1~10分の1程度の少量を慎重に用いれば、副作用を出さずに患者さん本人と介護者を共に救うことができると確信しております。特に認知症医療においては、介護者の負担を軽減することは、良質な介護を継続していくためにも非常に重要な要素であり、単にエビデンスだけで割り切れるものではないと考えます。
以上のような理由から、今回のガイドラインが認知症高齢者に対する抗精神病薬の処方中止を強制するものであってはならないと考えます。処方中止を強制すれば、今まで抗精神病薬の少量投与で陽性症状がコントロールされていた症例が急激に悪化し、入院や施設入所が急増することが予想され、生命予後も悪化すると考えられます。

是非とも現場の切実な声に耳を傾けていただき、認知症高齢者に対する抗精神病薬の投与中止を強制するようなニュアンスを今回のガイドラインから排除していただきたく、お願い申し上げる次第です。」

投稿者: 小早川医院


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