院長ブログ

2015.01.05更新

来る1月31日に「健康講座:糖尿病治療の新しい考え方」と題して、糖尿病糖質制限に関する勉強会を開催します。

当院に通院されている方、および一般の方が対象です。
糖尿病の患者数は戦後60年余りの間に40倍近くに急増しています。
また、高齢者の糖尿病も増加しています。
国民病となりつつある糖尿病についてわかりやすく解説します。

開催日:平成27年1月31日(土)14:30~16:00(受付 14:00~)
会場: 小早川医院
(名古屋市昭和区前山町1-19 つばめ前山町ビルA棟1F)

〈内容〉
 ・なぜ糖尿病が急増しているのか?
 ・糖尿病予備軍と言われたら・・
 ・薬に頼りすぎている現在の糖尿病治療
 ・糖尿病食事療法の新しい考え方;糖質制限食
 ・糖尿病の合併症
 ・高齢者の糖尿病の特徴
 ・糖尿病治療の目標は?

♦お申し込み方法:お電話またはFAXで下記までお申し込みください。
FAXの場合は、お名前、ご住所、電話番号を明記してください。
お車でお越しの方は、駐車場をご案内しますのでお申しつけください。
 小早川医院  TEL(052)752-0800   FAX(052)752-0805
(定員になり次第締め切らさせていただきますので、お早目にお申し込みください。)

投稿者: 小早川医院

2014.12.31更新

今年は当院にとっても大きな意義のある一年でした。このブログで不十分ながらもコツコツと発信してきた情報がきっかけとなり、当院の医療に広がりができた一年であったと思います。

当院が行っている、食事療法(糖質制限)を柱として薬をできるだけ減らすという糖尿病治療に注目していただくことができ、4月、6月には週刊文春の、7月には中日新聞の取材を受けました。その記事を見て、現在受けている糖尿病治療に疑問や不安を抱いた患者さんが数多く来院されました。名古屋市以外からの来院も多く、当院の治療方針に共鳴していただける方が多いことに喜びを感じるとともに、責任の重大さを痛感しております。今後も、健康長寿につながるより良い糖尿病治療を目指したいと思います。

また、患者さんと介護者の両方を救う認知症治療(コウノメソッドに基づく認知症治療)が軌道に乗った一年でもありました。アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリーという4種類の認知症治療薬の適切な使用、米ぬか由来の期待のサプリメント;フェルガードの活用、グルタチオンやニコリンの注射など、いろいろな戦略を駆使して認知症の進行を懸命に抑えた一年であったと言えます。まだ不十分な部分もありますが、多くの患者さんとそのご家族に感謝の言葉をいただきました。これを励みに、来年は一層研鑽を積んで、よりよい認知症医療をご提供します。

来年も今年以上に質の高い医療情報を、このブログを通して発信してゆきますので、ご期待ください。
特に、期待の認知症予防法である芸術療法・回想法についても当院で行うべく準備中ですので、順次情報発信してゆきます。注目していただけるとありがたいです。

皆様、良いお年をお迎えください。

投稿者: 小早川医院

2014.12.30更新

アルツハイマー型認知症では物忘れよりも嗅覚障害(匂いがわからなくなる)が先行することが知られています。
匂いがわからなくなると、好きだったものでも全く食べなくなってしまうこともあります。

なぜこうなるかというと、嗅覚と記憶には深い関係があるからです。人間の脳の中には「嗅覚野」という匂いを感じ取る部位があり、これが隣接する「嗅内野」という部位を介して記憶をつかさどる「海馬」とつながっています(アルツハイマー型認知症では海馬の萎縮よりも先にこの嗅覚野に変性が起こると考えられています)。匂いを嗅ぐことで嗅覚野が刺激され、その刺激が嗅内野を介して海馬まで届くことによって、記憶がよみがえるのです。

例えば花の匂いを嗅いで、以前に行ったことのあるどこかの場所を思い出すように、匂いが記憶を呼び起こすわけです。匂いを嗅ぐことが脳に良い刺激を与えることになります。

嗅覚障害はあるが記憶は正常である段階では、嗅覚を刺激することがアルツハイマー型認知症の予防につながると考えられています。お香やアロマテラピー、料理の香辛料など、個々の好みに応じていろいろな香り刺激を試してみるとよいでしょう。

投稿者: 小早川医院

2014.12.15更新

久山町研究の中心的存在である九州大学医学部の清原 裕教授のお話しを伺う機会に恵まれました。

久山町研究とは、福岡市に隣接した糟屋郡久山町(人口約8400人)の住民を対象行われている、脳卒中、心血管疾患、糖尿病認知症、癌などの疫学調査のことです。

久山町の住民の年齢・職業分布は全国平均とほぼ同じであり、偏りの少ない平均的な日本人の集団であると考えられます。ですから、ここでの疫学調査は、日本全体の疾病の動向を予測するのに大いに役立ってきたわけです。

1961年に研究が始まった当初は脳卒中に関する調査が中心でしたが、最近では糖尿病や認知症にかかわる調査が盛んに行われているそうです。

清原先生のお話しで最も印象的だったのは、糖尿病の患者さんでは、食後高血糖やインスリン抵抗性が虚血性心疾患や認知症をひき起こすということでした。やはりこれからの糖尿病治療はHbA1cだけを見るのではなく、インスリン抵抗性を改善することにより食後高血糖を是正することが必要だと痛感しました。

やはり糖質制限食、メトフォルミン、アクトスが治療の柱となっていくでしょう。

投稿者: 小早川医院

2014.11.30更新

11月29日土曜日の午後、筑波大学医学部(産学リエゾン研究センター)准教授の内田和彦先生と株式会社MCBI取締役の渕木幹男さんを講師にお招きして、認知症に関する院内講演会を開催しました。
今回は「認知症と軽度認知障害(MCI)について」というテーマでお二人からお話を伺いました。



アルツハイマー型認知症では、アミロイドβという物質が発症の20年近く前から徐々に脳細胞に蓄積し始めます。
内田先生は、同じ筑波大学医学部の精神科の朝田 隆教授らとの共同研究で、この物質の脳細胞外への排出の過程にかかわる3種類のたんぱく質を発見しました。そして、これらのたんぱく質の血液中の濃度の変化を調べることにより、認知症の予備軍である軽度認知障害(MCI)になっているかを判定する方法(MCIスクリーニング検査)を開発しました。この方法は10cc程度の採血で簡単にできるのが特徴です。
この検査法を実用化するために、内田先生は渕木さんらとともに筑波大学発のベンチャー企業MCBIを立ち上げました。
先生は「MCIを放置すると4年で約半数が認知症になるので、このMCIスクリーニング検査などで早期に発見し、運動や食事療法、脳トレ、高血圧糖尿病のコントロール、サプリメントなどで認知症の発症を予防することが重要だ」強調されました。
講演後、参加者から多くの質問が寄せられ、認知症に対する関心の高さがうかがわれました。

このMCIスクリーニング検査は当院でも実施しています。興味のある方は遠慮なくご相談ください。

投稿者: 小早川医院

2014.11.28更新

11月26日の夜、認知症専門の在宅医療で有名な岩田 明先生が院長をされている長久手南クリニックで、認知症の勉強会が開催され、コウノメソッドの提唱者である河野和彦先生が講演されました。介護職・患者さんのご家族・認知症に携わっている医師など50名ほどの参加者があり、会場は超満員となりました。

河野先生のお話を伺うのは、今年の夏以来4か月ぶりですが、この間にコウノメソッドが大きく進化しているのに驚かされました。
今回の講演の特徴は、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などの変性系の認知症の診断、治療にとどまらず、進行性核上性麻痺(PSP)、多系統萎縮症(MSA)、皮質基底核変性症(CBD)などの神経変性疾患や自閉症、線維筋痛症などの診断・治療についてもわかりやすく解説されたことです。
これらの治療で共通の武器となるのがグルタチオン点滴療法です。パーキンソン病の治療から始まったグルタチオンの臨床応用がいろいろな分野に広がっていくという、非常に夢のある話でした。

河野先生の「患者さんもその家族もともに救う医療」がいよいよ完成の域に達してきたと感じました。

投稿者: 小早川医院

2014.11.16更新

千種区の認知症地域連携の会が主催する「2014年度市民シンポジウム」が、11月15日に千種区役所の講堂で開催されました。

アメリカの国立加齢研究所(NIA)が (1)地中海式食事 (2)認知活動 (3)運動が認知症を抑制すると発表したのに対応して、今回のシンポジウムでは栄養、認知活動、運動のそれぞれの専門家がシンポジストとして登場し、認知症予防のための対策を議論しました。この中で、有酸素運動、特にダンスが認知症を予防する効果があること、簡単な計算をテンポよく行う訓練によって、脳の司令塔である前頭前野を含む脳全体が活性化し、認知症予防につながることが印象に残りました。

また筑波大学教授の朝田 隆先生が「認知症の早期発見と予防」というテーマで基調講演をされました。
筑波大学では、軽度認知機能障害(MCI)と診断された患者さんに対して、「認知力アップデイケア」を行い、大きな成果を上げています。これは、体操・ボール運動・ストレッチなどの軽い運動で構成された運動メニュー、認知ゲームによる認知トレーニング、美術・音楽などの創作活動を通じて脳を鍛える芸術療法、古いテレビの映像を用いた回想法を組み合わせた認知症予防プログラムです。MCIの患者さんたちが、このプログラムを通じて生き生きと認知症予防に励んでいる姿が動画で映し出され、非常に感銘を受けました。
当院でも、芸術療法を用いた認知力アップデイケアの実施に向けて準備中です。詳細が決まりましたら当ホームページでもお知らせしますので、お楽しみに・・

投稿者: 小早川医院

2014.11.11更新

先日名古屋観光ホテルで、我が国の糖尿病治療のオピニオンリーダーとして有名な洪尚樹先生が「これからの糖尿病治療」というタイトルで講演され、私はその座長を務めさせていただきました。私が最も尊敬する糖尿病専門医の一人である先生の講演会の司会をさせていただいた事は、私にとっては光栄の至りでした。

洪先生のお話を初めて伺ったのは10年以上も前のことです。当時はまだSU薬が糖尿病薬物療法の主流でしたが、先生はこのころから「低血糖を起こさない治療」の重要性を強調され、メトフォルミン、アクトスなどのインスリン抵抗性改善薬を糖尿病の薬物治療の中心に据えることを提唱されていました。低血糖によって心血管イベントが増えたり認知症のリスクが高まったりすることが明らかになった今、この当時の先生のお考えがいかに卓見であったかがよくわかります。
今回の講演でも、インスリン抵抗性改善薬が治療の中心であることには変わりはありませんでしたが、治療の目標が、三大合併症(神経障害、網膜症、腎症)の予防から動脈硬化による心血管イベント(脳卒中、狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症)の抑制に移り変わっていることを強調されていました。

洪先生の最新の糖尿病治療戦略を知ることができた大変有意義な講演会でした。


投稿者: 小早川医院

2014.10.31更新

昨日のブログで、今年のアメリカ糖尿病学会で糖尿病食事療法のトレンドが明らかに転換していたことをご説明しましたが、今年5月の日本糖尿病学会でもトレンドの明らかな変化が感じられました。
今までは日本の糖尿病学会で糖質制限食が大きく取り上げられることはなかったのですが、今回は「低炭水化物食は有益か有害か?」と題するセッションが設けられました。ここで、日本における糖質制限食のオピニオンリーダー的存在である北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生と糖質制限食に対して慎重な姿勢をとっている京都府立医大の福井道明先生がディベートを行いました。
山田先生は、最近発表された糖質制限食の有効性と安全性を証明する多くの研究データを示したうえで、「緩やかな糖質制限食は百利あって一害なし」と結びました。
一方の福井先生は、糖質制限食では蛋白摂取量が増えるので、腎障害を悪化させる懸念があること、また脂質の摂取が過剰になるためLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇をきたすケースがあると述べ、糖質制限の危険性を強調しました。しかし、これら二つのポイントは欧米ではすでにほぼ否定されているものであり、糖質制限食を批判する根拠にはなりえないでしょう。
というわけで、このディベートは緩やかな糖質制限推進派の山田先生の圧勝という印象でした。
保守本流の日本糖尿病学会でこのようなディベートが行われたことは、いよいよ糖質制限食が主流になる前兆という気がしてなりません。

投稿者: 小早川医院

2014.10.30更新

米国の新しい糖尿病食事療法のガイドラインに関するシンポジウムが、今年6月のアメリカ糖尿病学会(サンフランシスコ)の中で開催されました。

このシンポジウムでは終始、食事療法の個別化(個々の患者さんに合わせたテーラーメイドの食事療法)の重要性が強調されていました。また、議論の多かった糖質制限食の有効性と安全性を証明する多くの研究データが紹介されました。
エネルギー摂取量とエネルギー消費量の差が肥満の程度を決定するという古い概念は否定され、食事の内容がエネルギー摂取だけでなくエネルギー消費や肥満、2型糖尿病の発症にそれぞれ独立して関与するという新しい概念が提示されました。
また、脂質制限の意義はほぼ完全に否定されました。

糖尿病食事療法は「どんな食事法が正しいか?」を議論する時代から「それぞれの患者さんの個性に合った食事法としてどんなものがあるか」を議論する時代になったということでしょう。

投稿者: 小早川医院

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