プラセンタ療法

プラセンタ療法とは

プラセンタとは母親のおなかの中で赤ちゃんを守り、育てる役割を持った「胎盤」のことです。プラセンタ療法とは、ヒトや動物の胎盤から抽出したエキスを用いた治療法を意味します。
プラセンタは胎児とへその緒でつながり、その中を血管が走っており、母体の中にあって、まだ人間の体として独り立ちしていない胎児と母親とを結んでいます。そして、妊娠の期間中、胎児に必要な酸素や栄養素の供給を仲立ちし、まだ発育途中の胎児の内臓に代わって消化や排泄をします。また、ホルモン分泌を行ったり、病気にかかりにくくするための免疫を与えるなど、胎児がおなかの中で健やかに成長するために、実にさまざまな働きを担っており、まさに生命の源ともいえる臓器です。プラセンタは体内においてある種の調整作用を持ち、各部位を本来あるべき状態に戻す力を発揮します。その作用から、自然治癒力を高める自然薬として注目を集めています。

プラセンタ療法の歴史

プラセンタには、それを乾燥して粉末化したものなどが洋の東西を問わず、紀元前の昔から薬として利用されてきた長い歴史があります。中国の明時代の薬学書「本草綱目」には「紫河車」の名前で記載されています。この「紫河車」は江戸時代に生薬として日本にも伝わり、滋養強壮薬として用いられていました。
第二次世界大戦後には、冷凍保存したプラセンタを皮下に埋め込む治療法(埋没療法)が日本でも採り入れられ、その効果が高く評価されていました。しかし、治療手技や安全性の確保といった面で高い難度が要求されるため、広く普及するには至っていません。
こうした埋没療法の研究をもとに、1950年代に入ると、日本人の独自の研究によりプラセンタ抽出エキスの注射剤や内服薬が開発されました。これにより、より簡単かつ安全にプラセンタ療法を行うことが可能になりました。2007年には日本胎盤臨床研究会が発足し、プラセンタ療法に関する臨床研究が活発に行われています。

プラセンタの作用

プラセンタは次のような実に幅広い作用を発揮することが分かっています。

自律神経調整作用:自律神経のバランスを整える。
内分泌調整作用:ホルモンのバランスを調整する。
免疫賦活作用および免疫調節作用:免疫力を強化し、その働きを正常に保つ。
基礎代謝亢進作用:基礎代謝を活発にし、細胞や臓器の働きを高める。
抗炎症作用:炎症を抑える。
強肝、解毒作用:肝臓の働きを強化し、解毒作用などを高める。
活性酸素除去作用:活性酸素による酸化(体の錆びつき)を防ぐ。
血行促進作用:血液の循環を改善する。

プラセンタ療法の効果

肝臓疾患:肝炎、肝硬変など
婦人科疾患:更年期障害、冷え症、月経前緊張症、生理痛など
整形外科疾患:肩こり、五十肩、腰痛、ひざ痛、脊柱管狭窄症など
アレルギー疾患:アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎など
耳鼻科疾患:耳鳴り、めまい、メニエール病、嗅覚障害など
精神神経疾患:うつ病、自律神経失調症、不眠症など
自己免疫疾患:関節リウマチなど
歯科・口腔外科疾患:口内炎、味覚障害など
肌の老化:肌荒れ、乾燥肌、シミ、シワ、たるみなど
その他:頭痛、慢性疲労、滋養強壮、精力増強、抗ガン剤・放射線治療後の副作用軽減、術後の回復

プラセンタ療法の実際

注射と内服の2種類があります。注射の長所は内服剤に比べて速効性があることです。短所は、効果を発揮・持続させるには定期的に通院して毎回皮膚に針を刺さなければならず、多少なりとも苦痛を伴うことです。こうしたことを考慮すると、何か辛い症状をお持ちで、できるだけ早く治したい場合には注射を、時間がかかってもよいから徐々に症状を改善して行きたい場合や、健康増進・アンチエイジングあるいは美容などの目的でプラセンタの効果を得ようとする方には内服が適しているのではないでしょうか。

注射:ヒトプラセンタ(メルスモン、ラエンネック)皮下注射

疾患によって異なりますが、注射は週1回~2週間に1回が通常の頻度です。状態によっては月1回程度で良い場合もあります。また、1回の注射に用いる注射薬の量は1~10アンプル(1アンプルは2cc)と疾患の程度によって幅がありますが、平均的な量は2~5アンプル程度です。

内服:ブタプラセンタ

治療費用

更年期障害、慢性肝炎の治療にプラセンタ注射を実施する場合には保険が適用されます。

更年期障害にはメルスモンが、慢性肝炎にはラエンネックが用いられます。
いずれの場合も、保険診療の場合には1回に1アンプルしか注射することができないという縛りがあります。但し、週に何回通っていただいても保険は適用されますので、症状が強い場合には通院の回数を増やすことで対応できます。
1回の注射の自己負担は500円程度です。(初診時は初診料が加算されますので600円ほど高くなります。)

それ以外の症状に用いる場合は、原則として自費となり、負担していただく費用は以下の通りです。

初診料 2,000円
注射 注射薬1アンプルにつき1,000円(メルスモン、ラエンネックともに)
内服 1か月分(標準的な量) 10,500円~14,700円

※表示価格は税抜きです。

副作用

プラセンタは50年以上も医療の現場で使用され続けているにもかかわらず、重大な副作用は全く報告されていませんし、当院でも経験がありません。時々見られるのは下記のような軽微な副作用のみです。

注射部位の発赤・かゆみ
吐気
注射側上腕が重く感じる。

これらの副作用は数日以内におさまることが多いようです。

プラセンタによる治療

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