院長ブログ

2012.07.19更新

前回より続く・・・ 

しばらく食事療法を続けてもHbA1cが目標のレベルまで下がらないと、内服薬で治療しましょうということになります。それでもだめならいよいよインスリン注射です。

ここ10年程の間に、次々と糖尿病の新薬が発売され、インスリン製剤も随分とバリエーションが増えました。食事療法が実践できなくても、いろいろな薬を組み合わせることでHbA1cを目標のレベルまで下げることができる例も多くなってきました。一方で、「糖尿病治療の基本は食事療法」という言葉は形骸化し、食事療法の存在感がどんどん薄れていっているように見えます。

多くの薬を併用することにより医療費が増大し、患者さんの負担が増えるという弊害も出てきています。英国では1997年から10年間にわたって11万人の2型糖尿病患者を積極的に薬物治療した結果、医療費は2倍以上に上昇したにもかかわらず、HbA1cは0.1%しか改善しなかったというデータが出ています。
また、一部の 経口糖尿病薬やインスリン注射によってガンの発生やガンによる死亡が増加したという報告が増えてきています。薬物療法でHbA1cのコントロール目標を低く設定するほど死亡率が上昇するという報告もみられます。

薬物療法でいくら糖尿病のコントロールが良くなっても、ガンなどの病気を併発して生活の質が低下したり、寿命が縮まっては意味がありません。また、治療を長く続けるためには、経済的な負担が大きすぎるのも問題です。

「健康寿命を延ばす」という糖尿病治療本来の目標を達成するためには、もう一度原点に立ち返って、できるだけ薬に頼らずに、食事療法で糖尿病をコントロールすることを真剣に考える必要があります。

投稿者: 小早川医院


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