院長ブログ

2014.10.31

糖尿病食事療法のトレンドの大転換・・その2

昨日のブログで、今年のアメリカ糖尿病学会で糖尿病食事療法のトレンドが明らかに転換していたことをご説明しましたが、今年5月の日本糖尿病学会でもトレンドの明らかな変化が感じられました。
今までは日本の糖尿病学会で糖質制限食が大きく取り上げられることはなかったのですが、今回は「低炭水化物食は有益か有害か?」と題するセッションが設けられました。ここで、日本における糖質制限食のオピニオンリーダー的存在である北里研究所病院糖尿病センターの山田悟先生と糖質制限食に対して慎重な姿勢をとっている京都府立医大の福井道明先生がディベートを行いました。
山田先生は、最近発表された糖質制限食の有効性と安全性を証明する多くの研究データを示したうえで、「緩やかな糖質制限食は百利あって一害なし」と結びました。
一方の福井先生は、糖質制限食では蛋白摂取量が増えるので、腎障害を悪化させる懸念があること、また脂質の摂取が過剰になるためLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の上昇をきたすケースがあると述べ、糖質制限の危険性を強調しました。しかし、これら二つのポイントは欧米ではすでにほぼ否定されているものであり、糖質制限食を批判する根拠にはなりえないでしょう。
というわけで、このディベートは緩やかな糖質制限推進派の山田先生の圧勝という印象でした。
保守本流の日本糖尿病学会でこのようなディベートが行われたことは、いよいよ糖質制限食が主流になる前兆という気がしてなりません。

投稿者: 小早川医院


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