院長ブログ

2013.02.28更新

花粉症治療薬によるインペアード・パフォーマンス

インペアード・パフォーマンス(impaired performance)とは、花粉症の治療のために抗ヒスタミン剤を服用することにより、作業能率や集中力の低下が起きる現象を意味します。

ヒスタミンは脳において覚醒、学習と記憶の増強、自発運動量の増加などの多彩な作用を持っています。
脳に移行しやすい抗ヒスタミン剤を服用すると、このヒスタミンの作用がブロックされるわけですから、鎮静作用や認知機能障害を引き起こします。

当院では、花粉症治療に際して、できるだけ脳内移行の少ない抗ヒスタミン剤を最小限投与することにより、患者さんの生活の質を保つことを心がけています。

2013.02.23更新

インフルエンザの流行続く・・愛知県は全国2位の患者数!

国立感染症研究所の発表によれば、14週連続で増加が続いていたインフルエンザが、2013年第5週にはやや減少に転じたようです。しかし、全国的にはまだ本格的な流行が続く見通しであるとのことです。
今シーズンの特徴は成人患者が多いことで、特に70歳以上の患者数は昨シーズンの1.6倍にも達しています。
都道府県別では新潟県、愛知県、愛媛県、長崎県、鹿児島県の順に患者数が多く、愛知県は全国2位となっています。
また、昨年に続いて、今年はインフルエンザワクチンを接種している人でも感染している場合が多いのも特徴です。

人ごみでのマスクの着用、うがい、手洗いなどの基本的な予防対策に加え、十分な睡眠とバランスの良い食生活を心掛けてください。また、ビタミンC,ビタミンDなど免疫力を高めるサプリメントの摂取も有効です。

2013.02.21更新

糖尿病学会の糖質制限に対する姿勢に変化の兆し?

去る1月13日に開催された第16回日本病態栄養学会で、日本糖尿病学会が今年出す見通しの「糖質制限を含めた食事量をめぐる声明案」の概要が明らかにされました。

まず、肥満の是正は糖尿病の予防と治療のために重要であり、総エネルギー制限を最優先にすることが強調されました。
そのうえで、「総エネルギー制限をせずに、炭水化物を100g/日以下に制限するのは、長期的な有用性や安全性のエビデンスが不足しており勧められない」と指摘。1日当たりの糖質の摂取量は100g以上にすべきであると結論付けました。

炭水化物とタンパク質、脂質の構成比は、従来の考え方を改めて確認。「炭水化物は50~60%, 蛋白質は20%以下を目標とする。脂質の摂取上限は25%とする。」ことが明記されました。オメガ3系不飽和脂肪酸の摂取を増やすといった脂肪酸の構成にも配慮する必要があることが付記されました。

糖質制限は今後の検討課題と位置づけられました。「炭水化物の摂取量に関しては議論がある。問題と認識して、炭水化物40-50%の減量効果は積極的に検討課題にすべきである。」としています。

これまで、日本糖尿病学会は糖質制限(低炭水化物)食を全く無視する姿勢を貫いていました。今回の声明でも肥満の是正のためにはカロリー制限が最優先であるという点は従来どおりです。しかし、最後のところで、炭水化物摂取量を総カロリーの40-50%
にした時の減量効果をある程度認め、「積極的に検討課題にすべき」としているのは大きな変化です。糖尿病学会もいよいよ重い腰を上げ、ゆるやかな糖質制限(低炭水化物)食を容認する姿勢を見せていると考えられます。
これは、我々のようにゆるやかな糖質制限(ローカーボ)食を推進している者にとっては朗報です。

2013.02.18更新

プラセンタ療法のヒント

プラセンタの研究は、ロシアの眼科医フィラトフ博士の報告以後、世界中で進められました。
特に内服薬に関しては、戦時中から戦後にかけて、京都大学医学部産婦人科の三林隆吉教授を中心に精力的な研究が行われ、「ビタエックス」が開発されました。
そのヒントになったのが、戦時中の妊婦さんと生れてくる赤ちゃんです。

戦時中は食糧事情が非常に悪くなっており、当然妊婦さんの栄養状態も劣悪でした。
それにもかかわらず、生れてくる赤ちゃんは食糧事情が良い時と同じように、しっかり発育して生まれてきます。
このことから、後産で出てくる胎盤(プラセンタ)に様々な働きがあることがわかりました。

現在の プラセンタの内服薬にはこの時の研究成果が生かされているのです。

2013.02.13更新

花粉症対策(その5)・・・クルクミン・MSMなどのサプリメント

前回までに、花粉症に効果が期待できるサプリメントとしてビタミンD,有胞子乳酸菌,EPAをご紹介しました。
今回はそれ以外のまだあまり知られていない花粉症対策サプリメントをご紹介します。

①クルクミン: ウコン(ターメリック)に含まれる色素で、強力な抗酸化作用に加え、免疫細胞の過剰な働きを抑えることが知られ  ています。

②セイヨウシロヤナギ: その樹皮に含まれる物質に抗炎症作用があると期待されています。

③MSM: MSMは植物性有機硫黄のことで、抗炎症効果があることが認められています。

④SAMe(Sアデノシル-Lメチオニン): アデノシンとメチオニンから生体内で合成される物質で、ヨーロッパではううつ病の改善や   肝機能の強化の目的で医薬品として使用されています。

これらのサプリメントに興味をもたれた方は、お気軽にご相談ください。

⑤ボスウェリア・セラータ: インドの乾燥した高地に自生する落葉高木で、その抽出物に抗炎症作用があると期待されています。

2013.02.07更新

花粉症対策(その4)・・・EPA(オメガ3系脂肪酸)

近年のアレルギー疾患の急増には、食事から摂取する脂肪酸(オメガ3系とオメガ6系)のバランスが悪くなったことが影響していると考えられています。イワシ、サンマ、アジ、サバなどの青魚の摂取量が減っているため、オメガ6系脂肪酸に比べてオメガ3系脂肪酸の摂取が減少しているのです。

炎症を引き起こす物質は脂質の構成成分である脂肪酸から作られ、オメガ6系の脂肪酸から作られる物質は免疫反応を激しくするほか、心血管系の病気を増やし、発がんのリスクを高めるともいわれています。
一方、オメガ3系脂肪酸であるEPAからは、炎症やアレルギー反応を抑える物質が作られます。

したがって、青魚やサプリメントでEPAを摂取することにより花粉症などのアレルギー疾患の症状が緩和されることが期待できます。

2013.02.03更新

花粉症対策(その3)・・・ハンノキアレルギーとOAS

OAS(口腔アレルギー症候群)は、ある特定の食物を食べることにより口、唇、喉などの口腔粘膜やその周辺組織にイガイガ感などのアレルギー症状が起きるものです。じんましん、喘息、アナフィラキシーショックなどの全身症状がみられることもあります。
OASの多くは花粉症に合併します。原因は花粉症の原因物質と似た物質が果物等の食物中に含まれているためです。

ブナ目の樹木は身近な場所にみられ、花粉症の原因となります。そのうちハンノキの花粉は1月から3月ごろ、シラカンバ(白樺)の花粉は4月から6月ごろにかけて飛散します。
これらの花粉はリンゴ、桃、メロン、ヘーゼルナッツによるOASとの関連性が報告されています。

OASは、花粉症が悪化する時期に発症・悪化するため原因花粉を回避する対策も重要です。
OASの原因となる食物は、加熱・加工したものを摂取するか、もしくは摂取を避けることが必要です。

2013.02.02更新

花粉症対策(その2)・・・乳酸菌

乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌の摂取によって腸内細菌のバランスを改善し、アレルギーや花粉症の症状の緩和に役立てる研究がおこなわれ、その関連性が注目されています。

実際、ヨーグルトを花粉症患者に摂取させた実験で、花粉症の症状が改善されたという報告があり、乳酸菌の免疫調節のメカニズムについては、現在も解析が続いています。 

乳酸菌を摂取するには、ヨーグルトやキムチなどの発酵食品を食べるか、胃酸に耐えて腸にまで到達することのできる「胞子」の状態の乳酸菌(有胞子乳酸菌)のサプリメントを服用するのが良いでしょう。
但し、腸内環境は人によって異なるため、自分に合うタイプの乳酸菌を見つける必要があります。ヨーグルトやキムチの銘柄を変えてみる、いろいろなメーカーのサプリメントを服用して見るなどの工夫が必要です。

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