2015.02.28更新
認知症予防のため油にこだわろう!
活性酸素は私たちの身体の中でエネルギーが作られるときに発生する副産物です。自動車に例えれば、燃料を燃やしたエネルギーでエンジンを回転させると同時に出てくる排気ガスに相当するものが活性酸素なのです。ですから、私たちの体内で作られる活性酸素のもとは人体の燃料、つまり私たちが口にする食べ物というわけです。
食べ物の中でも活性酸素が発生するもっとも大きな原因の一つが「油」です。サラダ油などに含まれるリノール酸を摂りすぎると活性酸素が発生します。また、マーガリン・スナックやケーキ、クッキーの材料として使用されるショートニング・市販の揚げ物に使用される硬化油にはトランス脂肪酸が多量に含まれています。トランス脂肪酸は、体内で分解されにくく、活性酸素の過剰発生のもとになります。ですから、トランス脂肪酸の摂取は避けたいところです。
一方、植物油の中でお勧めしたいのがアルファリノレン酸を多く含む「えごま油(シソ油)」や「亜麻仁油」です。アルファリノレン酸は体内でEPAやDHAに変わり、活性酸素の発生を抑える働きがあります。これらの油をサラダのドレッシングの材料として用いたり、ミキサーを用いて野菜ジュースに混ぜて摂取するのがよいでしょう。
また、調理用の油としては、サラダ油の代わりにオリーブオイルを用いるとよいでしょう。
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2015.02.27更新
認知症予防と糖質制限
最近、インスリン分解酵素にもこのネプリライシンと同じくアミロイドβを分解する作用があることが明らかになりました。インスリンが大量に分泌されていると、体内のインスリン分解酵素はすべてインスリンを分解するのに使われてしまい、アミロイドβの分解にまでまわらなくなります。
一方、糖質制限によって過剰なインスリンの分泌を抑えてやると、インスリン分解酵素がアミロイドβを分解する余裕ができてくるので、アミロイドβの沈着が起こりにくくなるというわけです。
糖質制限は認知症予防の有望な手段の一つであると言ってもよいでしょう。
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2015.02.24更新
スギ花粉の飛散が本格化しています!
当院にも花粉症の症状が悪化した患者さんが多く来院されています。花粉症に風邪やインフルエンザなどの感染症を併発する方も少なくありません。
例年スギ花粉症のある方はできるだけ早く抗ヒスタミン薬を飲み始める必要があります。
抗ヒスタミン薬による眠気やだるさが気になる方には、サプリメントの利用をお勧めします。
まず、お勧めしたいのがビタミンDです。ビタミンDは骨を丈夫にすると同時に免疫系を調整して安定化させる作用があります。ですから花粉症やアトピー性皮膚炎のようなあれえるぎー性疾患に有効です。特に、花粉症で鼻づまりがひどい方には速効性があります。
次にお勧めしたいのが、有胞子乳酸菌です。腸内細菌のバランスが崩れている方(悪玉菌>善玉菌)は、腸の粘膜のバリアーが弱くなり、食物の中のさまざまなアレルゲンが血液中に入りやすくなります。こうした現象が花粉症やアトピーの悪化にもつながるわけです。有胞子乳酸菌をサプリメントとして摂取することで腸内細菌のバランスがよくなり、腸の粘膜のバリアー機能が回復するため、花粉症やアトピーの改善が期待できます。特に普段から下痢しやすい、あるいは下痢と便秘の繰り返しであるというような方にはお勧めです。
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2015.02.17更新
花粉症を放置すると・・・
「2週間以上も風邪が治らず、鼻づまり、咳やのどの不快感が続いている」というような方は、ほとんどが花粉症です。
花粉症を放置していると、鼻腔や咽頭の粘膜にアレルギー反応による炎症が持続的に起きているため、粘膜のバリアー機能が弱くなり、ウィルスや細菌が侵入しやすくなります。この結果、副鼻腔や咽頭に感染がおこり、「長引く風邪」のような状態になるわけです。もちろんインフルエンザにもかかりやすくなりますよ!
花粉症を放置した場合のもう一つのデメリットは、鼻づまりや鼻水のために勉強や仕事に対する集中力が低下することです(これをimpaired performanceと言います。
やはり、花粉症と診断されたら早めに薬物治療を開始し、原因となっている花粉の飛散が完全に収束するまで、十分な期間にわたって続けるのがよいでしょう。花粉症のお薬で眠気が出て勉強や仕事の能率が落ちるのを心配される方が多いのですが、最近は眠気の少ない抗ヒスタミン薬が出ているので心配は不要です。
「花粉症かな?」と思ったら、お気軽に当院にご相談ください。
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2015.02.15更新
レビー小体型認知症の権威 小阪憲司先生の講演を拝聴して・・
昨日、ウェスティン名古屋キャッスルホテルで認知症の研究会があり、レビー小体型認知症の発見者である小阪憲司先生の特別講演を拝聴する機会に恵まれました。
小阪先生は名古屋大学附属病院に勤務していた1970年代の前半に、担当していた認知症の患者さんにアルツハイマー型認知症とは少し違う症状が見られたのが気になり、その患者さんが亡くなられた後にご家族の同意を得て病理解剖をされました。そして、大脳皮質に多くの「レビー小体」があるのを発見されました。その後、日本の他の施設でも留学先のドイツでも同様の症例を多数経験され、学会や論文で繰り返し発表されましたが、なかなか認められませんでした。それでも辛抱強く研究を続け、最初の論文発表から20年を経て、1996年にやっと国際学会で「レビー小体型認知症」として認められ、その診断基準が制定されました。しかし、その後もレビー小体型認知症はなかなか認知されず、専門医でも誤診が多いのが実情であり、先生は全国での講演や介護者家族交流会などを通じて、この病気の啓蒙を続けておられるとのお話しでした。
ここまでお話をうかがって、小阪先生が真摯に患者さんと向き合って、長年の苦労の末に新しい疾患の概念を確立されたストーリーは非常に感動的だったのですが、話題が「レビー小体型認知症の治療」に及ぶと様相は一変しました。
小阪先生は、「レビー小体型認知症ではアルツハイマー型認知症以上に脳内のアセチルコリンが減少しているので、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬が治療薬の第一選択であり、現状で保険適応があるのは一種類のみなので、まずはその薬を使いなさい、効果が不十分なら一日10mgの最高用量まで増やしなさい。」と述べられました。
当院では最近、レビー小体型認知症で当該薬剤を服用していてパーキンソン症状が悪化して歩けなくなり、それに対してパーキンソン病治療薬が処方され、その結果として今度は幻視・幻覚が増悪してしまい、家族が困って相談に来られるケースが増えています。こういう例は、まずそのお薬をやめることでほとんど改善するのを経験しているので、こうした副作用に全く言及されない小阪先生のお話には違和感を感じざるを得ませんでした。
小阪先生以外の演者たちも皆口をそろえて、「レビー小体型認知症にはまずそのお薬を使う」の一点張りです。閉会の挨拶に立った某大学の神経内科の教授に至っては、「レビー小体型認知症の認知度が一層高まり、その結果当該薬剤がより多く処方されるようになることを祈念している」というような内容で会を締めくくったのです。
この研究会を主催したのがそのお薬を販売しているE社なので、こうした内容は当然と言えるのかもしれませんが、レビー小体型認知症の患者さんを真剣に介護しているご家族が聴いたら、気分を害される方も多いのではないかと感じました。
何とも複雑な気持ちで会場を後にしました。
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