今回は「認知症と軽度認知障害(MCI)について」というテーマでお二人からお話を伺いました。
アルツハイマー型認知症では、アミロイドβという物質が発症の20年近く前から徐々に脳細胞に蓄積し始めます。
内田先生は、同じ筑波大学医学部の精神科の朝田 隆教授らとの共同研究で、この物質の脳細胞外への排出の過程にかかわる3種類のたんぱく質を発見しました。そして、これらのたんぱく質の血液中の濃度の変化を調べることにより、認知症の予備軍である軽度認知障害(MCI)になっているかを判定する方法(MCIスクリーニング検査)を開発しました。この方法は10cc程度の採血で簡単にできるのが特徴です。
この検査法を実用化するために、内田先生は渕木さんらとともに筑波大学発のベンチャー企業MCBIを立ち上げました。
先生は「MCIを放置すると4年で約半数が認知症になるので、このMCIスクリーニング検査などで早期に発見し、運動や食事療法、脳トレ、高血圧・糖尿病のコントロール、サプリメントなどで認知症の発症を予防することが重要だ」強調されました。
講演後、参加者から多くの質問が寄せられ、認知症に対する関心の高さがうかがわれました。
このMCIスクリーニング検査は当院でも実施しています。興味のある方は遠慮なくご相談ください。